産業用太陽光発電の仕組み
産業用太陽光発電の仕組み
太陽光発電=売電というイメージを持たれている方はまだまだ多くいらっしゃいます。
しかしながら、再エネ業界で起こっているのは「脱炭素社会」を目指した「自家消費」へのシフトです。
「その場で作った電気をその場で使う」という地産地消こそ、太陽光発電システムの本来の姿であると私たちは考えています。
なぜ自家消費へシフトしたのか?ということをここではご説明いたします。
ソーラーグリッド
「発電した電気を(売電せずに)自分たちの事業者や工場等で消費する」ということです。 そういう時代になった理由は2つです。
①FITによる買取単価の下落(10kW以上50kW未満)
②太陽光発電システムの発電単価の下落
発電単価とは1kWhの電気を作るのにいくらかかるかという単価のことです。 「発電単価」<「電力会社からの調達単価」であれば作った方がお得となります。
自家消費型太陽光発電とは
いったいいくらで電気を買っているの?
調達単価はいくらなのか?
電力小売自由化以降、新電力の登録者数は700社を超えました。
高圧向けのプランを持つ新電力も増え、いったいいくら安くなるのか?ということは気になるところですよね。
まずは電気料金の基本構成を押さえておくことが大切です。
知っ得知識①「デマンド契約」
「デマンド」とは30分の消費電力の平均値(kW)です。
1日48コマ、年間17,520コマの中で最も大きかった数値が最大需要電力(デマンド)として「契約容量」になってしまいます。
向こう1年間はこの数値が固定となり、それ以上使ってしまうと契約容量が上がってしまったり、超過ペナルティを支払ったりしなくてはならなくなります。
仕上単価って?
あまり耳馴染みがない言葉かもしれませんね。
電力会社からの電気の調達単価のことで、単純に「電気料金(円)」を「使用電力量(kWh)」で割った単価(円/kWh)を指します。
電気料金単価の目安となる数字ですので押さえておきたいポイントです。
10,000円の電気料金で使用電力量が500kWhだった場合、仕上単価は20円/kWhということです。
15〜22円/kWh前後が目安
※電力会社・契約内容による
太陽光発電の発電単価は?
どのような条件で、何を費用に含めるかなどによって発電単価は変わってきます。
仕上単価が15〜22円/kWh程度だとすると作った方が圧倒的に安い(8.6円/kWh)ということが分かりますね。
知っ得知識②「発電単価」
知っ得知識③「設置の制約条件」
①設置可能な広い場所があること
②発電した電力を定期的に使用できること
土日祝日の使用電力がどれくらいか
契約容量が何kWか(太陽光容量と比較してどうか)
太陽光発電のメリット・デメリット
自家消費型太陽光発電システムの導入が増えている理由は、環境対策に加えて経済的メリットが後押しとなっているからに他なりません。
では経済的メリット以外にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
当然ながら太陽光発電にもデメリットが存在します。
メリットだけでなく、デメリットも把握した上で導入の判断をしないといけないですよね。
メリット
- 1.工場立地法対策
- 太陽光パネルの水平投影面積はそのまま環境施設面積となります。(上限5%迄)
- 2.屋根の遮熱効果
- 太陽光パネルの直下の屋根裏では、夏場で10度程度下がるという報告もあります。
- 3.CO2排出量の削減
- 太陽光発電の電力はCO2を排出しない自然エネルギーとしての環境価値を持っています。
- 4.BCP対策
- 台風や地震など停電時にも太陽さえ出ていれば発電が可能です。
- ※注意:発電は天候次第なので単独設備では不完全です。 蓄電システムとの併設で有効となります。
- 5.デマンドの削減
- 太陽光発電で、日中のデマンド(需要)を抑制することができる可能性があります。最大デマンドを抑制できれば、そのぶん電力会社の基本料金を下げることができます。
- ※注意:発電する時間帯と最大デマンドの発生する時間帯が重なる場合のみ、効果がでます。
デメリット
- 1.初期投資費用の回収年数の長期化
- 2.将来的に購入電力単価が下がる可能性
- 3.将来的に使用電力量が下がる可能性
- 4.将来的に屋根の塗装や改修等の妨げになる可能性や設置した建物自体がなくなる可能性
- 5.自分たちで維持・メンテナンス等管理していく煩雑さ
このようなデメリットを解決できるのがソーラーグリッドです。
知っ得知識④「環境価値とは」
再生可能エネルギーで作られた電力は、電力そのものの価値に加えてCO2を排出しないエネルギーとして「環境価値」というものが付与されます。
この環境価値を購入することで、CO2フリーの電気を使ったと見なすことが可能です。